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             ◎ ハロー!株式 ◎      2012/01/27 夕刊

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こんばんは。aquaです。

 昨年12月13日以降、バルチック海運指数(BDI)の下落が続いていま
す。

 BDIとは、ロンドンのバルチック海運取引所が、鉄鉱石や穀物などの乾貨
物(ドライカーゴ)の外航不定期船(ばら積み船)の主要航路の用船料につい
て海運ブローカーから得た情報をもとに、1985年を1000として算出し
ている国際運賃指標で、中国景気の影響を受けやすい指標故に世界景気の先行
指標的な性格を有しています。

 ちなみに、ばら積み船と言いましても、その大きさ(通過できる航路)によ
って様々な種類があります。

 代表的な種別としては、世界のほとんどの港に入出港できる「ハンディサイ
ズ(積載重量5万トン級)」、パナマ運河を通航できる最大船型の「パナマッ
クス(同7万トン級)」、パナマックスより大きく、パナマ運河が通航できず
希望峰(ケープタウン)回りとなる「ケープサイズ(同17万トン級)」など
があり、BDIはこれら複数の用船料を合成して算出されています。

 BDIの構成要素のうち、最も影響が大きい喜望峰回りのケープサイズの積
荷は、約7割が鉄鉱石、残り3割が石炭となっており、パナマックスの積荷は
5割程度が石炭、約2割が穀物類です。また、品目別でBDIに最も大きく影
響するのは海上荷動きの3割を占め、品目別のシェアが最も高い鉄鉱石です。

 最近のホルムズ海峡を巡る緊張の高まりは、原油タンカーの運賃に大きな影
響を及ぼしていますが、ばら積み貨物船の運賃から算出するBDIの場合は、
先にも述べましたように中国の景気動向(主に同国の鉄鉱石輸入動向)の他、
ばら積み船船舶の需給動向に大きく左右されます。さらに、一つの金融商品と
して海上運賃の先物取引の拡大が値動きを大きくさせている側面があります。

 中国は世界の4割を占める最大の粗鋼生産国で、輸入量も世界最大。今年の
需要も底堅いと見られていますが、冬前の駆け込み需要の反動と旧正月に伴う
荷動きの停滞によりこの時期に調達が鈍るのは例年のことで、BDIが年末年
始に低迷することが多いのはこの影響があります。

 ただ、今回の低迷は例年以上です。BDIはリーマン・ショック前の08年
5月に史上最高値となる1万1793を付けましたが、金融危機の煽りを受け
同年12月には663まで暴落しました。その後持ち直したものの、最近の下
落により改めてその水準に近づきつつあります(昨日は753)。

 理由は二つ。足元の鉄鋼石の需要減退で、中国の主要港の鉄鋼石在庫は過去
最高水準にまで積み上がっていることから、調達を控えていることが一つ。も
う一つは、船舶の供給過剰です。

 2000年代に入り中国経済が急速に拡大するとともに、船舶の需要も急増
しました。一般的に、新船の投入計画立案から数年後に造船所へ発注、建造す
るのに約4年かかり、そして進水という運びで、そのタイムラグが現在の供給
過剰につながっています。

 世界のケープサイズのばら積み貨物船の数は、2010年末に1164隻、
11年末は1257隻で100隻ちかく増加。今年はさらに200隻以上増え
る見込みです。かつての年間の増加数は50隻程度でしたので、現在の増加ペ
ースが需給に劇的な変化をもたらしているのは明白です。

 尚、例年は中国の旧正月明けに海上輸送量が増加する傾向があるため、来週
にはBDIに変化が表れるかもしれません。



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 ~目次~          編集者:aqua[ aqua@aqua-inter.com ]
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 1.今日の相場 

 2.主な材料

 3.主な投資判断

 4.投資の肴

 5.編集後記







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【1】今日の相場                         **
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◎日経平均   8841.22(-  8.25)▼0.09%
◎TOPIX   761.13(-  3.48)▼0.46%

◎売買高概算  19億3788万株
◎売買代金概算  1兆1213億円
◎時価総額  262兆0148億円

◎値上り銘柄数 639  ◎(昨年来)新高値 23
◎値下り銘柄数 881  ◎(昨年来)新安値  0
◎変わらず   149

◎騰落レシオ(25日)124.05%

◎サイコロ(日経平均)7勝5敗 ●○●○○○○●○○●● 58.3%

◎カイリ率(日経平均)25日線比+3.52% 75日線比+2.94%

◎為替  (対ドル) 77.12  (対ユーロ)101.10

◎出来高上位
 1.みずほ  <8411>  115円(-  2円)108,944千株
 2.NEC  <6701>  156円(- 12円) 66,154千株
 3.三菱UFJ<8306>  351円(-  5円) 42,552千株
 4.新日鉄  <5401>  194円(-  7円) 41,773千株
 5.野村HD <8604>  272円(-  8円) 41,767千株

◎売買代金上位                           (円)
 1.トヨタ  <7203> 2838円(- 49円) 29,360百万
 2.三井物産 <8031> 1299円(+ 27円) 25,219百万
 3.日産自  <7201>  728円(-  6円) 20,009百万
 4.ホンダ  <7267> 2689円(- 53円) 19,560百万
 5.三菱商  <8058> 1757円(+ 39円) 19,108百万


◆相場概況

 外国証券の寄付前の注文状況・・・売り2240万株 買い1790万株

 本日の東京マーケットは日経平均株価が小幅安、前日比8円(0.09%)
安の8841円で取引終了です。

 昨晩のNYダウが22ドル安となったこと、為替がドル・ユーロともにやや
円高に振れたこと、騰落レシオが120%を超えるなどこのところの急上昇に
よる警戒感が台頭したこと、加えて週末要因による手控え気分も強まり、終日
膠着感の強い展開となっています。もっとも下値を売る動きも見られず、昨日
の終値を中心に売り買いが交錯しています。原油価格が上昇していることで石
油株や資源関連としての商社株が値を上げています。売買代金概算1兆121
3億円、上海市場は本日まで春節で休場、香港市場は小動きです。

 業種別では、石油、水産、紙パ、食品、商社などが高く、証券、鉄鋼、海運、
自動車などが下げています。

 個別銘柄では、除染関連銘柄として土壌汚染補修などを手掛ける地質調査大
手の応用地質が31円高の984円と値を飛ばしています。政府が前日に福島
第1原発周辺で国が実施する除染の工程表を発表したことを受け、収益への貢
献を意識した買いが入っています。被災地で除染作業を受注しているニチレキ
も5円高の430円と値を上げています。政府は年間放射線量50ミリシーベ
ルト以下の地域(総面積174平方キロメートル、森林除く)は2年後の20
14年3月末までに除染を終える計画としています。

 三菱商事が39円高の1757円と4ヶ月ぶりの高値水準まで上昇。主要国
の中央銀行が金融緩和に踏み切り、このところNY市場の原油価格が上昇して
いることで資源関連として商社株に物色の矛先が向かっています。三菱商事の
配当利回りは3.5%を超えており、高配当取り狙いの買いも入っています。
三井物産も27円高の1299円、伊藤忠は23円高の835円、丸紅も13
円高の530円と値を上げています。

 インフルエンザ関連として明治HDが65円高の3295円と上昇。同社は
うがい薬「イソジン」を販売しており、対策関連銘柄として物色の矛先が向か
っています。

 歌舞伎興行が発祥で映画も展開する松竹が6円高の776円と連日で昨年来
高値更新。同社は2月決算であり、株主優待の権利を狙った買いが入っていま
す。同社は年2回、映画や演劇の鑑賞券といった商品を株主優待として実施し
ています。

 在宅介護が主力のツクイが12円高の877円、介護施設運営のニチイ学館
が8円高の902円となるなど介護関連が値を上げています。明治安田生命保
険の松尾社長が介護事業者の年内買収を検討していることを明らかにし、材料
視した買いが入っています。

 このところクスリのアオキが大きく上昇してきており、本日も63円高の1
507円と値を飛ばして昨年来高値更新。昨日の引け後に1月の月次営業速報
を発表。ドラッグストアの既存店売上高が前年同月比17%増となり、月次売
上高が好調に推移していることで好感した買いが入っています。

 その他、漁場復興関連として定置網・定置網漁船の受注が好調の日東製網が
14円高の178円と値を飛ばし、ヤマダ電機が筆頭株主となったプレハブ中
堅のエス・バイ・エルが14円高の182円、仮設住宅の日成ビルドが10円
高の202円、眼鏡市場を展開するメガネトップが28円高の862円と値を
飛ばしています。

 本日の新高値銘柄は、日本道路、クスリのアオキ、ユニプレス、極東開発、
ダイハツ、ユニ・チャーム、共立印刷、ケーヨー、松竹・・・等々です。





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【2】主な材料                          **
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・インフルエンザの流行拡大 11県で「警報レベル」に

・毒性の強い鳥インフル「H5N1型」 香港で再び確認

・11年の消費者物価はマイナス0.3% 3年連続下落

・ドコモ、中継設備増強に1640億円投資 障害対策で

・サムスン、昨年の売上高は11兆円超で過去最高を記録

・EU、米国との個別のFTA締結を視野に 路線を修正

・米キャタピラーの11年12月通期、過去最高益を更新

・米国防長官「米軍地上部隊、今後5年で10万人削減」



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【3】主な投資判断                        **
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[ドイツ証券]
 据置き   A (8060) キヤノンMJ        1,140円

[メリルリンチ証券]
 据置き   A (4063) 信越化学      4,300→ 4,500円
 据置き   A (6753) シャープ       920→   910円
 据置き   A (8218) コメリ           3,200円
 引下げ A→B (6752) パナソニック     930→   650円
 引上げ C→B (6758) ソニー       1,230→ 1,700円

[野村証券]
 据置き   A (4185) JSR       1,960→ 2,000円
 据置き   A (4751) サイバーエージェント   34.7万円
 据置き   A (6756) 日立国際電気     924→ 1,023円
 据置き   A (9433) KDDI     67.3万→64.8万円

 ※3段階評価はA~C、5段階評価は1~5にて表記
 ※価格:各証券会社が判断する妥当株価



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【4】投資の肴                          **
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 市場予想を上回る好決算を発表したアップルの株価は、25日に高値454
ドル45セント、終値で446ドル66セントをつけ、いずれも過去最高値を
更新しました。

 また、昨日現在の時価総額の世界一はエクソンモービルの約32兆0251
億円ですが、アップルの時価総額は約31兆8195億円で、2社で抜きつ抜
かれつしています。参考までに、日本一の時価総額を誇るトヨタ自動車の本日
現在の時価総額は、終値ベースで9兆7854億円です。

 ところで、取引先業者に厳しい守秘義務を課すことで知られているアップル
が、異例にも先日、生産を委託している取引先企業(156社)のリストを公
表していますので、そこに掲載された主な日本企業を以下にてご紹介させてい
ただきます。


 コード  企業名        関わり(推定含む)

 3407 旭化成        電子コンパス 
 4062 イビデン       ICパッケージ 
 5802 住友電気工業
 5803 フジクラ       プリント基板
 6502 東芝         フラッシュメモリー ※子会社で液晶も
 6665 エルピーダメモリ   半導体 
 6701 NEC
 6723 ルネサスエレク    半導体 
 6724 セイコーエプソン   水晶デバイス 
 6752 パナソニック               ※三洋電機含む
 6753 シャープ       液晶 
 6758 ソニー        液晶
 6762 TDK        コンデンサー 
 6767 ミツミ電機      電子部品 
 6787 メイコー       プリント配線板
 6794 フォスター電機    イヤホン 
 6807 日本航空電子     コネクター 
 6817 スミダコーポ     コイル 
 6962 大真空        水晶デバイス 
 6963 ローム        半導体関連 
 6976 太陽誘電       セラミックコンデンサー 
 6981 村田製作所      コンデンサー 


 ちなみに、今回公表されたリストにはありませんが、第一精工(6640)
や旭硝子(5201)などもアップルの取引先企業として知られています。

 尚、アップルが先日発表した2011年10―12月期決算は、売上高が4
63億3300万ドル(約3兆5676億円)、純利益は130億6400万
ドル(約1兆0060億円)となり、四半期ベースで過去最高の業績をたたき
出しています。参考までに、トヨタ自動車の今3月期の通期純利益は3500
億円予想となっています。

 3カ月で「売上高3兆円、利益1兆円超」は驚異的です。アップルの10年
10―12月期の粗利益率は38.5%でしたが、部品価格の下落により昨年
10―12月期の粗利益率は44.7%にまで上昇しており、これが好業績の
一因となっています。

 一方、アップルの価格交渉は厳しいことで知られています。例えばアップル
にフラッシュメモリを提供している米サンディスクの昨年10―12月期業績
は大幅な減益となっており、取引企業がアップル製品の売上げ増加の恩恵をそ
のまま享受できるとは限りません。



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【5】編集後記                             mailto:aqua@aqua-inter.com
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昨年7月の高値以降、指数(日経平均株価とTOPIX)の短期・中期のトレ
ンドを示す25日移動平均線と75日移動平均線は交差(クロス)することな
く推移していましたが、日経平均株価とTOPIXともに、相場のトレンド転
換を示す25日線と75日線とのゴールデン・クロスが射程に入ってきました。
___________________________________
  ~ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。~   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

~皆様のご投票、心から御礼申し上げます。~ =6年連続受賞=

◎メルマ!ガ オブ ザ イヤー2011 http://melma.com/contents/moy2011/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   「ハロー!株式」 4年連続での『総合大賞』

    (06年と07年はマネー部門賞第1位)


◎まぐまぐ大賞2008 http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/#mon
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   「ハロー!株式」 マネー部門 第1位

    (06年から08年まで連続受賞、09年はコンテスト実施せず)


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 ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は
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 発行:アクアリンクス株式会社 関東財務局長(金商)第2282号
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